5世紀頃のインドの大学僧、ヴァスバンドゥが著した『阿毘達磨倶舎論』の「破我品」は、仏教の無我説に基づいて、外教の実我説などを論破し、有情の諸現象を説明する。ヴァスバンドゥはのちに唯識思想の論書を著すが、その前段階の思想を知ることができる。 …
無我説の展開は「所有観念の放棄」「非我」「無我」の三段階となる。 最初に、「無我説」とは、「四法印」(諸行無常・諸法無我・一切皆苦・涅槃寂静)ひとつにあたる。無我説が依るものは「縁起説」である。縁起説とは、すなわち、諸法は諸因縁の集合・集積…
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